松戸市の税理士高橋会計事務所

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「節税に対する考え方」

kinya
知り合いの税理士のお話です。
「節税にウルトラCはありません。ウルトラB’くらいなら何とか〜」だそうです(笑)
結局、節税というのは、細かい判断の積み重ねになります。
日本の法人税は、申告納税方式といいまして、納税者が自らの判断で自主的に納税額を計算して申告する仕組みになっています。

税務署が決算書や申告書を作ってくれるわけではありませんよね。

つまり、納税者の自主性を信頼しての制度という建前です。
ところが、一方では、「納税者が租税回避をするだろうことを前提」にして、いろいろな制限を規定しています。

yukiko
税務署側もプロですから、そんな都合のいい節税方法がたくさんあるとは思えませんが・・・。


kinya
仕事上、市販されている、されていないにかかわらず、いわゆる「節税本」などは、一通り目を通していますが、内容的には、どれもネタは同じようです。
違いは、読者にわかりやすく書いているかどうか、図解や表にしているかどうか、どこまで突っ込んで書いているかどうか・・など。
あとは、注意点や落とし穴、どうしてそんな節税ができるかの理由まで書いてあるかどうかですね。

yukiko
節税のメニューこそ、たくさんありますが、実際に「今回のケースで使えそうなネタ」っていうのは、限定されてきます。そこをどのようにチョイスするかがポイントではないでしょうか。


例えば、「家賃1年分前払いして税金を安くできます!」と、節税本に書いてあれば、一般の納税者は、そのタイトルだけが頭に残ります。

でも、実際に、それを実行しようと思ったときには、もともとの賃貸借契約はどうなっているのか、支払期日はどうか、契約期間はいつからいつまでか、社宅で社長から家賃を徴収しているときには問題はないのか、今後も継続し年払いするのかどうか、さらには、それをすることによって資金繰りは大丈夫なのか・・。

いろいろなことを総合的に考えて判断しないといけません。
できない、あるいは、やらない方が良いという結論になるかも知れません。


kinya
節税については、結構、間違った認識もあるようです。
家賃の前払いにしてもそうですが、「旅費日当」もそうです。

先日、あるお客さんからの質問でした。新規にご契約をいただいたお客様でしたが、同業者からこのようなお話を聞いたそうです。

「給料で貰うと個人に税金がかかるけど、旅費日当なら個人に税金がかからないから、給料を限りなく安くして、その分、ジャンジャン旅費日当を貰ったほうが節税になるよ」・・確かに、よく聞かれる話ですね(笑)

でも、これは正解ではありません。。

もともと、旅費日当が非課税とされているのには理由があります。
例えば、大企業などは、一日にたくさんの従業員が出張に行かれるでしょう。
その度に、一人一人実費精算したら経理は大変なことになるかもしれません。
しかも、個人的な経費まで精算を求める従業員もいないとも限りません。
出張に行かなければ手作り弁当で済むのに、外食しなければならなくなったとか、電車で済むのに、贅沢にタクシーを使ったとか・・お客さんと一杯やったとか。
会社としても「経費精算を認めるOR認めない」など、いちいち判断するのも面倒です。
このような理由から、会社として出張のルールを作るわけです。
つまりこれが、旅費規程と言われるものですが、この旅費規程で、平均的(標準的)な出張経費の範囲や金額を概算で決める。そして、その旅費規程に基づいて出張経費を概算払いする。
その代り、実費精算はしない・・と。

旅費規程による概算出張経費が、おおよそ妥当な金額であれば、実費精算とそれほど差額はないはずです。
つまり、従業員の手元にお金が残らないはずなので、個人の税金は強いて課税しないという扱いなのです。

このように考えると、旅費日当を利用して節税を・・というのも限界があることがわかります。
もし、旅費日当を払って、一方では、実費もしっかりと精算する。
・・これでは、旅費日当は単なる給与に過ぎません。

yukiko
決算対策でもありますね。昔は、「利益がでそうだから、ジャンジャン資産購入しなさい」って・・・よく耳にしましたが、これもどうかとおもいます。


お客様には、このようにアドバイスしています。
「必要なものなら前倒しで購入してもOKですが、節税のために必要のないものまで購入するのはどうでしょうか。
しかも、金額によっては購入初年度は減価償却も月割計算しますから、節税効果はおそらく●●円くらいでしょう」・・って。


こういう事態になる前に、事前に対策を打つのがポイントですね。そうなると、どうしても年一では対応しきれなくなります。

※年一(ネンイチ)とは、業界用語で、決算前に1年分の会計処理を会計事務所に丸投げすること、あるいは、自計化(ジケイカ)し、決算申告書作成だけ会計事務所に依頼すること。
※自計化(ジケイカ)とは、何の略か不明ですが、自分の会社で会計ソフトに入力まですること。

kinya
節税には、4つのパターンがあります。
お金がかかる節税、かからない節税、しかも、単なる課税の繰延なのか、そうでないのか。・・これらの掛け合わせです。
もともと、新宿の税理士の先生がはじめに整理したと記憶していますが・・・。
節税パターンで一番多いのが、いわゆる「課税の繰延べ」です。
課税の繰延べというのは、今年払うべき税金を翌年に先送りする。
翌年払うべき税金を翌々年に先送りする・・という意味です。
長い目で見れば、いずれ払うことになるだろう税金のことです。

節税に関しては、まず、お客さんにアイデアを提供する。
リスクや効果も説明する。
その上で、最終的にはお客さんに判断してもらう。
脱税は別としても、節税については、基本的にはお客さんと税理士との共同作業ということになりますね(笑)


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