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【印紙税の課税文書の区分】 〜2号文書と7号文書の区分について〜
H18.11.17

 請負契約とは?

 印紙税でよく問題になるのが、課税文書に該当するのか不課税文書かです。

 課税文書の中でも、それが2号文書(請負に関する契約書)に該当するのか、7号文書(継続取引の基本となる契約書)に該当するのかということもよく判断に迷うところです。

 2号文書(請負に関する契約書)における「請負」とは、当事者の一方(請負者)がある仕事の完成を約し、相手方(注文者)がその仕事の結果に対して報酬を支払うことを内容とする契約をいい、民法第632条に規定する「請負」のことをいいます。

 この「請負」は、完成された仕事の結果を目的とする点に特徴があり、仕事が完成されるならば、下請けに出してもよく、その仕事を完成させなければ、債務不履行責任を負うような契約です。

 請負契約と売買契約の区分

ちなみに、請負契約か売買契約かの判断基準は、契約当事者の意思が、仕事の完成に重きを置いているのか、所有権の移転に重きを置いているのかによって判断します。

 売買契約に該当した場合には、7号文書(継続取引の基本となる契約書)、又は1号の1文書(不動産等の譲渡に関する契約書)、1号の2文書(地上権等の譲渡等に関する契約書)に該当する場合を除き、不課税文書となります。

 請負契約と委任契約の区分

 請負契約と似て非なるものに「委任契約」があります。

 委任契約とは、当事者の一方(委任者)が当事者の一方(受任者)に財産の売買、賃貸借などの法律行為を委託し、相手方(受任者)がこれを承諾することによって成立する契約をいいます。

 請負契約が仕事の完成を目的としているのに対して、委任は一定の目的に従って事務を処理すること自体が目的であって、必ずしも仕事の完成を目的としていない点に違いがあります。

 例えば、機械の保守契約など常に100%正常な状態を保つことを約する旨を契約書に記載されていると判断されると2号文書(請負契約に関する契約書)に該当しますが、ソフトウエアの使用操作についてのサポートなど、「保守に至らない単なるサポート」と判断されると不課税文書(委任契約)として取り扱われることになります。

 ただし、基本的にはサポート契約であっても、その契約書の内容に1項目でも請負と判断される業務内容が含まれている場合には、2号文書(請負に関する契約書)として取り扱われますので注意が必要です。

 2号文書と7号文書の区分

 2号文書(請負に関する契約書)に該当する場合には、同時に7号文書(継続取引の基本となる契約書)に該当する可能性も出てきます。

 7号文書(継続取引の基本となる契約書)とは、「特約店契約書、代理店契約書、銀行取引約定書その他の文書で、特定の相手方との間に継続的に生じる取引の基本となるもののうち、政令で定めるもの」とされています。

 7号文書となる「政令で定めるもの」とは?

そして、その政令第26条第1号において、7号文書となる5要件を規定しています。
@ 営業者の間における契約であること
A 売買、売買の委託、運送、運送取扱又は請負のいずれかの取引に関する契約書であること
B 2以上の取引を継続して行うための契約書であること
C 2以上の取引に共通して適用される取引条件のうち目的物の種類、取引数量、単価、対価の支払方法、債務不履行の場合の損害賠償の方法又は再販売価格のうち1以上の事項を定める契約であること
D 電気又はガスの供給に関する契約でないこと

 7号文書から除かれるもの

 ただし、7号文書(継続取引の基本となる契約書)には、「契約期間の記載のあるもののうち、当該契約期間が3ヶ月以内であり、かつ、更新に関する定めのないものを除く」との除外規定があります。

 2号文書と7号文書の両方に該当する場合

 上記の判定において、2号文書(請負に関する契約書)と7号文書(継続取引の基本となる契約書)の両方に該当する文書については、記載金額のあるものは2号文書、記載金額のないものは7号文書として取り扱われます。

 コメント

 印紙税は、金額も少額となるケースが殆どです。また、マイナーな税目であるだけに、あまり詳しく勉強する方も少ないようです。以前、印紙税単独の税務調査に立ち会ったことがありますが、ひっそりと終了しました・・。

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